FT4(遊離サイロキシン)
FREE T4 (FT4)
甲状腺が作る「前駆型」ホルモン
FT4(遊離サイロキシン) とは
FT4(遊離サイロキシン)は、甲状腺が主に分泌しているホルモンです。ただしFT4自体は、いわば「待機状態の前駆型」。そのままでは力を発揮せず、全身の組織でセレンを必要とする脱ヨード酵素によって活性型のFT3に変換されて、はじめて代謝を動かします。甲状腺が作る貯蔵タンク兼供給源がFT4、現場で働く実働部隊がFT3、という関係です。FT4は比較的安定していて、甲状腺そのものの生産力を映します。 FT4が役立つのは、TSHと組み合わせて甲状腺の状態を立体的に読むときです。たとえば、TSH(脳からの号令)が高いのにFT4が低ければ、甲状腺が号令に応えきれていない明確な機能低下を示します。一方、TSHが正常なのにFT4が低いような場合は、甲状腺ではなく、号令を出す側の視床下部や下垂体の問題を疑うことになります。号令と生産量のバランスを見ることで、どこに原因があるかを絞り込めるわけです。 読み解きでは、FT4を単独で見ないことが大切です。TSH・FT3とセットで眺め、さらに必要に応じてTPO抗体などの自己抗体を測ると、橋本病(慢性甲状腺炎)のような自己免疫の関与まで見えてきます。とくに40代女性で疲労や冷え、気分の落ち込みが続くときは、TSH・FT4・FT3・抗体をひととおり確認する価値があります。甲状腺ホルモンはセレン・亜鉛・鉄・ヨウ素といった栄養を材料にしているため、これらの過不足も背景として押さえておきたいところです。
FT4(遊離サイロキシン) の検査値の読み方
0.9〜1.7 ng/dL
1.1〜1.6 ng/dL
※ 精密栄養学視点の理想値は参考情報です。判断は必ず医療専門家にご相談ください。
値が変化しているとき
甲状腺機能亢進・過剰補充
甲状腺機能低下・栄養不足
FT4(遊離サイロキシン) と関わる栄養素
FT4(遊離サイロキシン) の観察・改善ヒント
- 01TSH↑・FT4↓で明確な機能低下
- 02TPO抗体も一緒に測ると橋本病の有無がわかる
- 03FT3変換のためにセレンを確認
※ 本記事は一般的な情報提供を目的としており、診断・治療・医療行為を構成するものではありません。検査値の解釈は必ず医療専門家にご相談ください。

