鉄代謝
血清鉄
SERUM IRON
血液中を「今」流れている鉄の量
血清鉄 とは
血清鉄は、血液中をトランスフェリンというタンパク質に運ばれて「今まさに」流れている鉄の量を示す指標です。貯蔵されている鉄の残高を表すフェリチンが「鉄の貯金通帳」だとすれば、血清鉄は「いま財布に入っている現金」にあたります。体じゅうへ鉄を届ける供給ラインの、その瞬間の状態を映す数値です。 この指標の特徴は、とにかく変動が大きいことです。食事の内容、測る時間帯(朝高く夕方低いという日内変動があります)、体内の炎症の有無などに敏感に反応して上下します。そのため、たまたま測った一回の血清鉄が低い・高いというだけで、鉄が足りない・余っていると結論づけるのは危険です。あくまで「ある瞬間のスナップショット」として受け止める必要があります。 だからこそ、血清鉄は単独ではなく、鉄を運ぶ容器の総量を示すTIBC、その充填率であるトランスフェリン飽和度、そして貯蔵量を示すフェリチンと組み合わせて読むのが基本です。たとえば鉄欠乏では、血清鉄が下がり、運ぼうとしてTIBCが上がる、という組み合わせで現れます。複数の鉄指標を重ねることで、はじめて「現金も貯金も足りているのか」という鉄の状態が立体的に見えてきます。測定は朝の空腹時に行うのが基本です。
血清鉄 の検査値の読み方
一般的な基準値
男性 60〜200 μg/dL、女性 50〜170 μg/dL
精密栄養学視点の理想値
男性 80〜160 μg/dL、女性 70〜140 μg/dL
※ 精密栄養学視点の理想値は参考情報です。判断は必ず医療専門家にご相談ください。
値が変化しているとき
HIGH · 高いとき
ヘモクロマトーシス・肝疾患・過剰摂取
LOW · 低いとき
鉄欠乏・慢性疾患貧血
血清鉄 と関わる栄養素
血清鉄 の観察・改善ヒント
- 01食後や炎症で変動大、単独判断は避ける
- 02フェリチン・TIBCとセットで
- 03朝食前空腹時に測るのが基本
※ 本記事は一般的な情報提供を目的としており、診断・治療・医療行為を構成するものではありません。検査値の解釈は必ず医療専門家にご相談ください。

