PERIODONTAL DISEASE

PERIODONTAL DISEASE歯周病とは

歯周病は「歯ぐきだけの病気」ではありません。痛みなく静かに進む慢性の炎症が、じつは糖尿病や心臓・血管、腸内環境ともつながっている——口の中を、全身の入口として捉え直すページです。

はじめに:このページは体の仕組みを正しく知るための教育的な解説で、診断・治療を行うものではありません。歯周病の診断・治療は歯科で行うものです。出血・腫れ・ぐらつきが気になる方は、まず歯科を受診してください。Mitoflow40が扱うのは、その手前(予防・全身とのつながり)の段階です。

歯周病とは、どんな病気か

歯と歯ぐきの境目には、わずかな溝(歯周ポケット)があります。みがき残しがたまると、そこに細菌のかたまり(プラーク=バイオフィルム)が住みつきます。体はこれを排除しようと免疫を働かせ、歯ぐきに炎症が起きます。これが歯周病の正体です。 やっかいなのは、炎症が長びくと、細菌そのものよりも自分の免疫反応が、歯を支える骨をじわじわ溶かしていくこと。しかも初期は痛みがほとんどなく、「沈黙の炎症」として静かに進みます。気づいたときには骨が減っていた、となりやすいのが特徴です。日本では成人の多くが、軽いものを含め何らかの歯周病を持つとされます。

「歯肉炎」と「歯周炎」は別の段階

「歯周病」とひとくくりにされがちですが、炎症が表面だけか、骨にまで及んでいるかで意味が大きく変わります。早い段階ほど、取り戻せる余地があります。

健康な歯ぐき

淡いピンクで引き締まり、歯みがきで出血しない。歯と歯ぐきの境目(歯周ポケット)は浅い。

歯肉炎

歯ぐきの表面だけに炎症がある段階。赤み・腫れ・出血が出るが、歯を支える骨はまだ溶けていない。ここで気づけば、ケアで元に戻せる可逆的な段階。

歯周炎

炎症が歯を支える骨にまで及び、骨が溶け始めた段階。歯周ポケットが深くなり、進むと歯がぐらつく。一度失った骨は戻りにくく、進行を止めることが目標になる。

※ 「歯肉炎」は元に戻せる可逆的な段階ですが、「歯周炎」で溶けた骨は自然には戻りません。だからこそ、出血のうちに気づくことに意味があります。

見逃しやすい、初期のサイン

初期は痛みがないことも多いですが、体は小さなサインを出しています。とくに「歯みがきでの出血」は、歯ぐきが炎症を起こしているわかりやすい合図。当てはまるものが続くなら、歯科で相談を。

  • 歯みがきや食事で歯ぐきから出血する
  • 歯ぐきが赤く腫れる・むずがゆい
  • 口臭が気になる・指摘された
  • 朝起きたとき口の中がネバつく
  • 歯ぐきが下がって歯が長く見える
  • 歯がぐらつく・噛むと違和感がある

本当に怖いのは「口の外」

歯周病が注目されるのは、それが口の中だけにとどまらないからです。炎症を起こした歯ぐきは、いわば体内に開いた小さな傷口。そこから細菌や、炎症を伝える物質(炎症性サイトカイン)が血流にのり、全身に静かな炎症をくすぶらせると考えられています。 とくに知られているのが糖尿病との双方向の関係です。血糖が高いと歯周病が悪化しやすく、逆に歯周病の炎症がインスリンの効きを下げ、血糖コントロールを悪くする——という、互いに足を引っぱり合う関係が報告されています。さらに、動脈硬化・心臓や血管の病気との関連や、飲み込んだ口腔細菌を通じた腸内環境への影響も研究が進んでいます。

※ 「関連がある」ことと「原因である」ことは別です。これらは研究で示されたつながりであり、歯周病を治せばすべての病気が防げる、という意味ではありません。

口の中にも「細菌叢」がある

腸と同じように、口の中にもたくさんの細菌が暮らす生態系(口腔マイクロバイオーム)があります。多くは無害で、本来はバランスを保っています。問題は、みがき残しや砂糖・喫煙・ストレスなどでこのバランスが崩れ、炎症を起こしやすい細菌が優勢になるとき。口腔と腸は1本の管でつながった連続した環境であり、口のケアは「腸活」の入口でもある、という見方ができます。

予防のうちに、できること

歯周病は、日々のケアと生活が大きな意味を持つ領域です(治療中の方は、必ず歯科の指示を優先してください)。土台は「細菌を減らす」と「炎症を起こしにくい体にする」の2方向です。

※ すでに治療中の方は、自己流のケアに切り替えず、必ず歯科医・歯科衛生士の指導に従ってください。

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