DIGESTION & ABSORPTION
DIGESTION消化・吸収とは
どんなに良い食材も、消化・吸収されてはじめて「自分の体」になります。「食べた」と「吸収できた」は、別の話です。
「食べた」=「吸収できた」ではない
栄養の話は、つい「何を食べるか」に集中しがちです。けれど本当に大切なのは、食べたものが分解され、吸収され、体の中で使われるところまで届くか。どんなに栄養価の高い食材も、消化・吸収の段階でつまずけば、その力は十分に発揮されません。 「ちゃんと食べているのに調子が出ない」——その背景に、消化・吸収の問題が隠れていることは少なくありません。精密栄養学では、「入れる」だけでなく「消化して取り込む」までを一続きで考えます。
消化は「リレー」で進む
消化は、口から大腸まで、それぞれの臓器が役割を引き継ぐバトンリレーです。どこか一区間が滞ると、全体に響きます。
よく噛むことで食べ物を砕き、唾液のアミラーゼがデンプンの分解を始める。消化の第一歩であり、ここを飛ばすと後工程の負担が増す。
胃酸とペプシンがタンパク質をほどき、殺菌も担う。胃酸はミネラルやビタミンB12の吸収にも不可欠。
膵臓の消化酵素と胆汁が、糖・タンパク質・脂質を吸収できる最小単位まで分解。栄養の大半はここで吸収される。
残りの水分と、腸内細菌が食物繊維を発酵して作る成分を吸収。腸内環境がここで効いてくる。
分解の主役「消化酵素」
食べ物を「吸収できる小さな単位」まで切り分けるのが、消化酵素です。栄養素の種類ごとに、担当する酵素が決まっています。
唾液・膵液に含まれ、デンプンを糖へ分解する。
胃のペプシンや膵液の酵素が、タンパク質をアミノ酸へ分解する。
胆汁で乳化された脂を、膵リパーゼが吸収できる形へ分解する。
※ 消化酵素は体内で作られますが、その材料となるのもタンパク質やビタミン・ミネラル。栄養が足りないと、消化する力そのものが弱くなる——という循環があります。
40代で落ちやすい「消化力」
消化・吸収の力は、年齢とともに少しずつ変化します。加齢で胃酸や消化酵素の分泌が減ると、タンパク質やミネラル、ビタミンB12などが取り込みにくくなります。「若い頃と同じ量の肉が重く感じる」「胃もたれしやすくなった」と感じるのは、その表れのひとつです。 さらに、早食い・ストレス・睡眠不足も消化力を下げます。緊張状態(交感神経が優位)では消化は後回しにされ、胃腸の働きが鈍るからです。「食べているのに栄養が足りない」状態は、こうして生まれます。
吸収を高める、毎日の工夫
「何を食べるか」と同じくらい、「どう食べるか」が効いてきます。
噛むこと自体が消化の第一歩。唾液が出て、胃腸の負担が減り、満腹感も得やすくなる。ひと口30回が目安。
「休息モード(副交感神経)」で胃腸はよく働く。ながら食い・早食いを避け、ひと息ついてから食べ始める。
ビタミンCで鉄の吸収を高める、脂質と一緒に脂溶性ビタミンを摂るなど、組み合わせで吸収率は変わる。
発酵食品や食物繊維で腸内細菌を育てると、吸収と代謝の土台が整う。
もっと学ぶ
「消化・吸収」は、腸内環境や栄養素、食べ物の話と地続きです。

