SARCOPENIA / FRAILTY
サルコペニア・フレイル
筋肉の減少は「高齢者の話」と思われがちですが、じつは40代からじわじわ始まっています。筋肉は動くためだけでなく、代謝・血糖・体温・若々しさを支える臓器。ここを守ることは、40代以降の健康投資のなかでも、いちばん効率のいいものの一つです。
サルコペニアとフレイル
サルコペニアとは、加齢にともなって筋肉量と筋力が減っていく状態のこと。筋肉は何もしなければ、30代以降、年に約1%ずつ減っていくとされ、40代はその下り坂が実感としてあらわれ始める時期です。 フレイルは、筋力低下に加えて、疲れやすさ・活動量や体重の低下などが重なり、心身が弱って要介護の手前にある状態。サルコペニアはフレイルの中心的な原因です。どちらも「年だから仕方ない」ではなく、対策で進行を遅らせ、改善も期待できるのが重要なポイントです。
なぜ、筋肉は減るのか
原因が重なるほど、減少は加速します。逆に言えば、打ち手も複数あるということ。
使わない(不活動)
筋肉は「使わなければ減る」。座りっぱなしの生活や運動不足が、減少を加速させる最大の要因。
たんぱく質・栄養の不足
筋肉の材料はたんぱく質。食が細くなったり偏ったりすると、作り直しが追いつかなくなる。
加齢による作りにくさ
同じ量を食べても、年齢とともに筋肉を作る反応が鈍くなる(同化抵抗性)。だから意識的な補いが要る。
慢性炎症・ホルモン変化
くすぶる炎症や、性ホルモン・成長ホルモンの低下も、筋肉の分解に傾ける。
筋肉が減ると、代謝も血糖も崩れる
筋肉は、ただ体を動かす器官ではありません。食べた糖のいちばん大きな受け皿でもあります。筋肉が減ると、行き場を失った糖が血液にあふれやすくなり、血糖の悪化やインスリン抵抗性につながります。サルコペニアと糖尿病が悪循環をつくるのはこのためです。 さらに筋肉は基礎代謝の大きな部分を担うため、減ると太りやすく・冷えやすくなります。そして転倒・骨折のリスクが上がり、それがフレイル→要介護への入口に。「動ける体」を保つことが、将来の自立と健康寿命を左右します。
守る・取り戻す3本柱
筋肉は、何歳からでも反応します。「運動」と「材料」と「土台」をそろえるのがコツです。
スクワットや自重トレなど、筋肉に抵抗をかける運動が最も効く。週2回程度でも、減少を止め・増やす方向に働く。
材料が足りないと作れない。毎食にたんぱく質を分けてとるのが効率的。年齢とともに、やや多めの意識を。
ビタミンDは筋肉の働きにも関わる。日光・きのこ・魚などで補い、全体の栄養と睡眠で回復を支える。
※ 本記事は一般的な健康情報であり、診断・治療を目的とするものではありません。持病がある方の運動・食事の変更や、急な体重・筋力の低下が気になる場合は、医療機関にご相談ください。
このページの参照
- Ageing and health(加齢にともなう機能低下とフレイル) — WHO(世界保健機関)
- Sarcopenia: revised European consensus on definition and diagnosis(サルコペニアの定義と診断) — Cruz-Jentoft AJ ら, Age and Ageing (EWGSOP2), 2019
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